人工授精と体外受精の違いについて

高度生殖医療のふたつの手法、人工授精と体外受精の違いを解説します。

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体外受精・顕微授精の基礎知識

人工授精と体外受精・顕微授精の違い

体外受精・顕微授精、
人工授精との違いは?

「一般不妊治療」である人工授精と、
「高度不妊治療」である
体外受精・顕微授精の違いとは?

大きな違いは
「体内」か「体外」か

人工授精とは、
人工的に子宮に精子を注入し
授精させる方法です。
一方、体外受精と顕微授精では
卵子を子宮から取り出して
受精を行います。

人工授精との違い

治療法を選ぶ基準は
不妊の原因

人工授精と体外受精・顕微授精は、
不妊の原因によって治療法を選ぶもの。
まずは適正を見てみましょう。

治療法の選び方について

費用や成功率など
の違い

人工授精と体外受精・顕微授精は
費用や成功率においても
大きな違いがあります。

費用や成功率の違い

人工授精・体外受精・顕微授精の
違いをわかりやすく解説

不妊治療は、大きく分けて「人工授精」「体外受精」「顕微授精」の3つに分類できます

不妊治療の代表的なものとして、「人工授精(AIH)」「体外受精(IVF」「顕微授精(ICSI)」の3つがあります。不妊治療にかんして情報を集めていると、これらの言葉がよく出てきまね。しかし、今ひとつこれらの違いがわからない…という方も多いのではないでしょうか?同じ不妊治療ではありますが、治療法や費用、妊娠の成功率など、いろいろな面で違いがあります。不妊治療を行うのであれば、これらの違いは基本としてしっかり理解しておきたいものです。

そこで、ここでは「人工授精」「体外受精」「顕微授精」の3つの不妊治療の違いについて、詳細に解説していきます。なお、「体外受精」「顕微授精」の治療については、それぞれ別のページでもくわしく紹介しているので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

人工授精とは?

不妊治療の中でも自然妊娠に近いのが「人工授精」

不妊治療と聞いて、まず「人工授精」を思い浮かべる方が多いと思います。

人工授精とは、女性の子宮内に人工的に精子を注入し、授精させる不妊治療の方法です。子宮内に直接入れるため受精の可能性は高まりますが、精子と卵子が子宮内で自然に出会うのをお手伝いするだけなので、ほぼ自然に近い妊娠と言えます。

この人工授精は不妊治療の中の分類でいうと、「一般不妊治療」に当てはまります。それに対し、このサイトでくわしく紹介している体外受精や顕微授精は、「高度生殖医療」に当てはまります。

人工授精・体外受精・顕微授精は
それぞれ何が違うの?

体内で受精するか、体外で受精するか

前述したように、人工授精は、活発な精子を選んで人工的に子宮内へ入れることにより、受精・着床を手伝います。

いっぽう体外受精は、精子・卵子を“体外で授精”させ、受精した受精卵を“子宮内へ戻す”ことにより、受精卵が着床できるようサポートをします。さらに顕微授精は、精子・卵子を“体外で人工的に授精”させ、受精した受精卵を“子宮内へ戻す”ことになります。顕微授精は、“人工的に授精させる”という点を除けば体外受精と同じです。

つまり、人工授精と体外・顕微授精の大きな違いは、“体内で受精させるか体外で受精させるか”という点にあるということです。

不妊原因による違い

体の状態や不妊原因によって選ぶべき治療法が違う

不妊の原因によっては、人工授精を受けられない場合があります。人工授精というのは、精子の数が少ない、膣内でうまく射精できないなど、男性側に不妊原因がある場合に、精子が卵子へ到達するのを手伝う治療法です。そのため、女性側にも不妊原因がある場合は、体外受精を勧められるのです。

体外受精ならば、受精卵が子宮へ移動できない、精子・卵子が受精できないなど、女性側の不妊原因がある場合でも人工的に授精を手伝えます。

さらに顕微授精は、精子の運動率が低くて卵子の中へ入り込めず、自然に受精卵を作ることができない場合に推奨される方法です。

成功率にも違いがあるの…?

人工授精よりも体外受精のほうが成功率が高い

さて、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」の違いをくわしく解説してきましたが、成功率にも違いはあるのでしょうか?

一般的に、人工授精1回あたりの成功率は「5%~20%」ぐらいと言われています。一方、体外受精を行った場合の妊娠率は「20%~40%」ぐらいと言われています。実際に数字で見てみると、結構大きな違いがあることがわかりますね。

人工授精では、治療後にも「受精→受精卵が卵管を移動→受精卵が子宮へ到達」という過程があります。このプロセスでは、残念ながら妊娠までたどり着けない可能性があるのです。その点、体外受精の場合は、これらの過程を人工的に成立させたうえで子宮へ受精卵を戻すため、妊娠率が高くなるというわけです。

そして、体外受精を行っても妊娠が成立しなかった場合に採用されることの多い顕微授精は、女性側の年齢によって、大きく確率が変わると言われています。ちなみに日本産婦人科学会が発表しているデータによると、妊娠確率は、20代の女性で「40%」、30代の女性で「20%~30%」、43歳を過ぎると「数%」ほどまで低下するという結果になっています。

費用はどれぐらい違うの…?

人工授精→体外受精→顕微授精の順で費用は上昇

ご存知の方も多いと思いますが、人工授精も、体外受精も、顕微授精も、すべての不妊治療には保険が適用されません。治療にかかったすべての費用が自己負担となってしまうので、費用の違いはとても気になるところでしょう。

以下に、それぞれの治療に必要とされる1回あたりの費用について、一般的なものをまとめてみました。

 
  • 人工授精…1~3万円程度
  • 体外受精…10~100万円程度
  • 顕微授精…30~100万円程度
 

妊娠が成立するまでに何回か治療を行う場合も多いので、費用もさらにかかることが多いでしょう。

ただ、体外受精・顕微授精の場合、各都道府県の自治体によって助成金が支給されます。都道府県で指定された医療機関にて治療を受けると、申請が可能となるようです。自治体によって適用条件が違うので、ホームページなどでぜひ確認することをお勧めします。

自分たちに最適な治療法は?

年齢や不妊原因により、最適な治療法を行うことが重要

さて、人工授精・体外受精・顕微授精の違いについて、くわしく見てきました。

治療法、不妊原因による適応、成功率、費用などさまざまな違いがあることがご理解いただけたかと思います。

一般的には、身体的・経済的に負担が軽い治療から始めて、だんだんとステップアップしていくケースが多いようですが、初診の結果や年齢によっては、人工授精を行わずに初回から体外受精を受けるケースも、もちろんあります。重要なのは、自分たちの状態に合った最適な治療を行うことです。

ぜひここで紹介したような基本知識は頭に入れたうえで、不妊治療に臨んでみてくださいね。